ソウル市立大学の語学堂って実際どう?経験者が感じるメリット・デメリット

公開日 2022年9月26日 最終更新日 2023年4月21日

ソウル市立大学の語学堂は韓国・ソウル市内にある公立の学校です。

他の語学堂に比べて学費が安いことで有名なため、留学を検討している方も多いのではないでしょうか。

語学堂を選ぶ際には、経験者の声や意見が重要な判断材料になると思います。

そこで本記事では、現在ソウル市立大学の語学堂に通っている筆者が、半年通って感じたメリット・デメリット・特徴などを紹介します。

語学堂選びで迷っている方、ソウル市立大学に興味のある方は、ぜひご参考にしてください。

また、ソウル市立大学に関する情報は、こちらでも紹介しています。

私は2022年2月〜2023年2月までソウル市立大学語学堂に留学しました
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ソウル市立大学の語学堂の概要

ソウル市立大学の語学堂の基本的な情報を紹介します。大学HPのプログラムを参照し、重要な点や詳細を補足します。

授業期間:10週間/学期(年4学期)

授業日程:月〜金曜日(祝日除く) 午前9:00〜12:50

時間割:50分授業×4時限(中10分休憩)

クラス構成:1級〜6級(各クラス10~15名)

授業料:1,350,000ウォン/学期(入学金50,000ウォン)

2022年9月時点では、校舎でのオフライン授業を実施中です。2・4・6級は時差登校のため、授業の開始時間が午前9:10にズレています。

入学時にレベル分けテストを受け、1~6級までクラスが割り振られます。韓国語が全くわからない場合でも、ハングルや基礎挨拶から学べるため心配ありません。

授業料はソウル市内の有名大学の中では最安水準です。ビザなし留学ができない現在は、入学時に2学期分の授業料+入学金を支払います。

その後は次学期登録の案内がある際に、申請&入金し、ビザの延長手続きも同時に行います。

ソウル市立大学の語学堂での勉強

語学堂は大学によって、教科書や授業方針/カリキュラム・テスト形式などが全く異なります。

ソウル市立大学の語学堂で勉強する特徴を見ていきましょう。

教科書

1~3級まではソウル大学の教科書『서울대 한국어』のStudent bookとWork bookを使います。

例えば2級の場合、『서울대 한국어 2A』『서울대 한국어 2B』がありますが、前半の5週間で2Aを、後半の5週間で2Bを勉強します。

Student bookとWork book合わせて30,000ウォン程度で、1学期あたり約60,000ウォンの教科書代がかかります。

他の大学でも、ソウル大学の教科書を使う語学堂は多い印象です。かなり分厚めで内容も濃く、カラフルでイラストが多く扱いやすいです。

4級以降は梨花女子大学の教科書『이화한국어』を使います。こちらはStudent bookとWork bookが1冊ずつで、1学期を通して勉強します。

Student bookとWork book合わせて40,000ウォン程度です。

ソウル大学の教科書に比べて小さく薄いため、イラストが少なく、文法事項や単語などの説明もかなり簡素化されている印象です。

教科書に加え随時、先生が用意してくれたプリントも使用しながら学びます。

語学堂によっては、大学独自のオリジナル教材を使う場合もあります。教科書は学期開始前に各自で用意します。

先生

1つのクラスあたり、2~3人の先生が曜日ごとに授業を担当します。

例えば、2級では【月・水】と【火・木・金】で異なる2人の先生が、3級では【月・木】【火・水】【金】で異なる3人の先生の授業を受けました。2022年9月時点では、男性の先生は1人のみで、それ以外の先生は皆さん女性です。

先生ごとに授業の進め方が全く異なります。

例えば、授業中に名指しで生徒を当てる先生もいれば、自由に発言を促す先生もいます。また、黒板やパワーポイント・プリントなどの副教材の量や内容も様々です。基本的に先生方は皆さん親切で、どのクラスに配属されても勉強の質に差はありません

先生によっては合う合わないがあるかもしれません。クラスの雰囲気も先生次第で大きく変わります。

授業方針/カリキュラム

語学堂によっては、時限ごとに읽기(リーディング)듣기(リスニング)말하기(スピーキング)쓰기(ライティング)と分けて勉強するケースもあります。

しかし、ソウル市立大学では分野ごとに分かれておらず、あくまで教科書を主軸として授業を進めます。そのため、先生が複数人いる場合でも、全ての先生と様々な分野を学ぶ可能性があります。また、一分野に特化することなく、읽기・듣기・말하기・쓰기を満遍なく勉強するイメージです。

分野ごとに曜日が分かれていたり、말하기に特化した授業を行ったりする語学堂もあるようです。

宿題

宿題の有無や量も先生によって全く異なります。ソウル市立大学の場合、負担になるほど多い宿題が出ることはありません。

宿題の例としては、その日に習った文法のWorkbookの演習や作文などが挙げられます。

当日中〜翌授業日までに、カカオトークまたは直接提出するケースが多いです。

勉強だけに追われることなく、様々な課外活動と十分に両立できると思います!

試験

大きな試験は授業期間5週目に中間試験、10周目に期末試験があります。

試験科目は읽기・듣기・말하기・쓰기に어휘문법(語彙文法)を加えた全5つです。

またそれ以外にも、教科書の各単元が終わるごとに小テストがあり、1学期に1〜2回発表があります。

テストの難易度は、授業内容をしっかり理解できていれば、問題なく合格できるレベルです。

評価

進級できるかの評価は、試験の成績と出席率をもとに行われます。

試験の成績には中間試験・期末試験・小テスト・授業態度(宿題の提出度)などが含まれます。

出席率は80%以上でなければ修了できません。つまり、1学期200時間中、40時間欠席した時点で進級不可となります。また、授業開始時間を5分経過して遅刻した場合も、その時限は欠席扱いとなるため注意が必要です。

毎学期、クラスの9割以上の学生が進級できている印象です。高級になるにつれ再履修している生徒も多い傾向があります。

ソウル市立大学の語学堂のメリット

では、筆者が実際にソウル市立大学の語学堂で勉強し、感じたメリットを紹介します。

学費が安い

公立大学であることから、何と言っても学費が安いことが最大の魅力です。

他の大学の語学堂では、1学期あたり1,700,000ウォン以上のケースも多いため、かなりお得に勉強できます。

個人的には、韓国の語学堂において、学費と授業やサービスの質は比例しないと思われます。

国籍に関わらず生徒の多くが、学費を理由にソウル市立大学の語学堂を選んでいるようです。

奨学金制度が豊か

ソウル市立大学の語学堂には、以下のように豊富な奨学金制度があります。

-100%全額奨学金:次学期登録時学費全額免除
選抜基準:3学期以上の登録者のうち、次の2つの条件を満たす学生
1)3 学期連続で出席率90%以上
2)3 学期連続で成績平均90点以上
※対象者が複数の場合、一番優秀な 1名に授与されます。
※選抜基準を満たす学生がいない場合、奨学金は授与されません。
-20%成績優秀奨学金
各クラスの首席学生
次学期登録時、授業料の20%を支給
-10%成績優秀奨学金
各クラスの次席学生
次学期登録時、授業料の10%を支給

韓国語・韓国文化プログラム

奨学金制度は、勉強する上でのモチベーションの一つになり得ます。

皆勤賞がない点はやや残念ですが、誰にでもチャンスがあるため、留学の目標の一つに設定してみるのも良いでしょう。

奨学金は日本人が受け取るケースが多いと聞いたことがあります!

文化授業が多い

ソウル市立大学の語学堂では、1学期あたり2~3回の文化授業があります。

大学HPのプログラムによると、テコンドーや韓国民俗村・韓国料理体験・サムルノリ(伝統音楽)などが例として挙げられています。

対面授業が再開した2022年の夏学期には、エバーランド訪問国立中央博物館での印鑑作りを行いました。

文化授業が全くない語学堂もある中、無料で韓国文化を体験できる機会が多い点は、ソウル市立大学の語学堂ならではの魅力の一つです。

文化授業も授業時間に含まれています!クラスメイトとも親しくなれ、韓国での思い出もできるため一石二鳥です♪

アットホームな雰囲気

他の語学堂では全クラスで1000人以上の生徒が通うケースも少なくありません。

一方で、ソウル市立大学の語学堂は生徒数が200人前後であるため、小規模でアットホームな雰囲気が特徴的です。

各級において10~15人前後のクラスが2~3つ程度しかありません。

授業を行う建物内では友達や先生と頻繁にすれ違うため、生徒間や先生方との距離も縮まりやすい印象です。

学期が終わっても先生と連絡を取り続け、何度か食事に行ったこともあります!

補講がある

通常の授業とは別に、TOPIK対策授業や大学受験準備サポートなどの補講制度があります。

TOPIK対策授業は中級クラスと高級クラスがあり、午後に無料でTOPIKに関する講座を受けられます。

また、大学受験準備サポートは有料ですが、自己紹介書の書き方をはじめとした準備を手伝ってもらえます。

TOPIK対策授業は3級以上の学生が受講可能です。2022年夏学期には全5回・各2時間程度の授業を受けました。

ソウル市立大学の語学堂のデメリット

次に、筆者が個人的に感じた、ソウル市立大学の語学堂のデメリットを紹介します。

立地が微妙

ソウル市立大学は地下鉄1号線・회기(フェギ)駅から徒歩13分程度청량리(チョンニャンニ)駅から徒歩15分程度の距離に位置します。韓国特有の坂道も越えなければなりません。

また、大学正門前に止まるバスも出ていますが、朝の時間はダイアが不安定になりやすいです。

회기駅や청량리駅は明洞やソウル駅といった中心部、弘大や新村など若者が集まるエリアからはやや離れています。大学の近く、または他のエリアに住む場合にしても、立地はやや微妙な方だと思われます。

회기駅周辺には飲食店やカフェ・コンビニ・スーパーなどが揃っているため、住むにあって不自由はないと思われます。
駅前からバスが出ているほか、경의중앙선(京義中央線)も通っており、交通アクセスは悪くありません。

国籍に偏りがある

ソウル市立大学の語学堂は小規模な上、他の語学堂に比べて国籍にやや偏りがあるようです。

全級を通した国籍の割合は、体感的に日本45%、台湾35%、その他マレーシアや香港などのアジア圏・欧米地域から20%という印象です。

授業中は韓国語以外の使用が禁止であるため、勉強に大きな影響はありません。ただし、多様な国籍の人と触れ合いたい方にとっては、デメリットにもなり得るでしょう。

人脈を広げるためには、学校外の活動に積極的に参加する姿勢が求められます!

トウミ制度が休止中

ソウル市立大学の語学堂は、コロナ前までトウミ制度がありました。

トウミ制度とは、ソウル市立大学在学生のボランティアによるバディー(韓国人パートナー)制度です。留学中の悩みを相談したり、言語交換をしたりと、韓国人の知り合いを作るきっかけの一つとして有効的でした。

しかし、2022年9月時点ではコロナの影響でトウミ制度が休止中です。今後復活する可能性かあるかどうかも未だ分かりません。

ソウル市立大学の語学堂に向いている方

ソウル市立大学の語学堂は、人によってメリット・デメリットの受け止め方が異なるでしょう。

向いていると思う方の特徴を挙げるならば、

・学費を抑えて生活費や趣味費に回したい方
・勉強のモチベーションが欲しい方
・文化授業を楽しみたい方
・国籍に関係なく小規模で落ち着いて勉強したい方
・TOPIK受験や韓国大学進学を考えている方・地域

などです。公立大学ならではの質素な雰囲気で、韓国語の勉強に集中したい方には最適な環境と言えます。

ソウル市立大学の語学堂は通う価値あり

いかがでしたでしょうか。

今回はソウル市立大学の語学堂について、今までの経験をもとに振り返ってみました。

個人的に、ソウル市立大学の語学堂を選んで後悔している点は、今のところ一つもありません

しかし、他の語学堂にもそれぞれの良さがあることでしょう。

留学は行ってみないと分からないことばかりですので、経験者の声を参考に比較検討してみてください。

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